2.日中韓首脳朝食会
28日朝、1時間に亘り、和やかな雰囲気の中で、三国共通の文化・歴史・伝統などの話題から、WTOを中心とする経済問題及び今後三国がアジア、ひいては世界の安定と繁栄のために何ができるかにつき、意見交換が行われた。特に中心テーマとなった経済問題では、朱首相より、WTO加盟のための米中交渉妥結に至る経緯につき説明があり、WTO加盟の効果等についての共同研究などの3国間の協力について意見交換が行われた他、国内経済状況(特に我が国)についても話し合われた。
なお、その際、小渕総理及び金大統領がそろって朱総理に対し、来年の訪日、訪韓を要請し、これに対し朱総理は、積極的に訪問したい旨述べた。
3.評価
(1)共同声明の採択:今回の首脳会議では、東アジア諸国が幅広い地域協力推進を謳う「東アジアにおける協力に関する共同声明」が採択された。3回目を迎えたASEAN+日中韓首脳会議で共同声明が採択されたのは今回が初めてで、東アジアでの協力強化に向けた首脳レベルでの強い意思を示すものとして意義大。今後の東アジアの協力の方向性が提示されたことで協力進展への弾みがつくことが期待される。
(2)日中韓の首脳による対話が、小渕総理の提案により「ASEAN+3」首脳会議の機会を利用して、朝食会という形で初めて実現したことは大きな意味あり。今後日中韓での対話、更には北東アジアにおける地域協力を進めていく上での重要な第一歩と評価できる。
(3)小渕総理が表明した種々のイニシアティヴは、それぞれASEAN側より高い評価を受けたが、これは我が国がこれまで表明してきた総額約800億ドルの対アジア支援に引き続き、21世紀のアジアの繁栄に向けわが国が積極的な役割を果たしていく決意を東アジア諸国に対しアピールする格好の場となった。
(4)我が方が4月に実現したASEAN10をアジアの平和と繁栄のパートナーと位置づけ、その発展に向けて様々な協力策を表明できたことにより、日本のASEAN重視姿勢を印象付けることができた。また、グローバル化や情報化に対応するための協力の強化は、今後の日・ASEAN関係を一層高い次元に押し上げていく上で効果的。